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8月18日午後21時。 目を醒ました鬼ヶ原空は、ここが書斎という事に気が付いた。 書斎には中から鍵がかけられたため、念の為鍵をかけている。 「どうしてここにいるんだっけ」 寝ぼけ眼で小さく呟き、状況を整理した。 あの時、死体が草刈り用の鎌で空の足に突き刺した後、まずはクマのぬいぐるみを突き飛ばして、その後地獄歌で死体共々再起不能にしたのだ。 だが、キッチンに逃げるように向かった空は、そこで先回りしていたクマのぬいぐるみと遭遇。 ストレイキャットを発動していたため、気づかれることは無かったが、この状態でもう一度クマのぬいぐるみとやり合う覚悟はなかったため、次に向かおうと思っていた書斎へと向かったのだ。 幸い、ここには死体もクマのぬいぐるみもいなかったため、ある程度血が止まった右手のタオルを、今度は足へと巻く。 しかし、深く切れているため右手にはジャージを千切って巻いて応急処置を施した。 「あー、思い出した。それから少し意識とんでたのか」 何の感情をこめないで呟く空。 一人はこういう時に物悲しくなる。 と、その時携帯にメールが来ている事に気が付いた。 『空ちゃんへ。 向坂維胡琉です。無事ですか? ひとりかくれんぼの概要を、ネットカフェで調べたので送ります。 はじめに ひとりかくれんぼとは、降霊術の一種で、自分で自分を呪う儀式のようです。 同居人等、家にいる人にも迷惑がかかるようなので、今回は空ちゃんはそれに巻き込まれた形になると思います。 用意するもの 手足があるぬいぐるみ ぬいぐるみに詰める米 爪切り 縫い針と赤い糸 刃物(包丁でもカッターでも、鋭利なものなら大体いいようです) コップ一杯の塩水 手順 ぬいぐるみに名前をつけ、ぬいぐるみの詰め物を出し、代わりに米と自分の爪を入れて縫い合わせる。 中の米はぬいぐるみの心臓、赤い糸は血管を示しているのだとか。 隠れ場所を決めておき、そこに塩水を用意しておきます。 御前3時になったら、以下の順に行動します。 1、ぬいぐるみに「最初の鬼は(自分の名前)だからと3回言い、浴室に行き水を張った風呂桶にぬいぐるみをいれる。 2、家中の照明をすべて消し、テレビだけつけ、目を瞑って10秒数える。 3、刃物を持って風呂場に行き、「(ぬいぐるみの名前)見つけた」と言って刃物を刺します。 4、「次は(ぬいぐるみの名前)が鬼」と言って、自分は塩水のある隠れ場所に隠れる。 また、終了方法についてですが、塩水を少し口に含んでから隠れ場所から出て、ぬいぐるみを探してコップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけて、「私の勝ち」と3回宣言して終わりだそうです。 この手順を2時間以内に終了させなければならないみたいですが、時間は大丈夫でしょうか? P・S そっちに向かっているハンターもいるようなので、最悪、どうにもできない状況の時は彼らを待って行動してください』 空はメールの来た時間を見る。 20時ジャスト。 そして、現在の時間を携帯で確認する。 21時12分。 「もう2時間超えてないか?どうなるんだこの状況……」 呆れた顔で呟いた空。 それに、終了方法を見るに塩水が必須のようだ。 彼女は塩水を持ってないし、おそらくあるであろうキッチンにはあのクマのぬいぐるみがあった。 そして女の子。3階にいるであろう彼女も探さなくてはいけない。 しかしあれから2時間以上経っている。 既に彼女が生きているのか、と言うとやはり逃がした空の友人である、灰原の言うように絶望的な状態も考えなくてはならないのだろう。 加速装置を使っても、この足では満足に動くことはできない。 その事だけは念頭に入れておかなくてはいけない。 「お?」 空がそう考えていると、携帯のメールしか見ていなかったため、着信が来ている事に気が付く。 8件。うち1件が白神凪でもう7件は桐石登也だ。 最終履歴である登也に掛け直すと、すぐに彼は電話に出た。 『空、大丈夫か!?』 「登也か、電話かけ過ぎだろ」 『なんでそんなに緊張感ないかなぁ!?』 『おい登也……さっさと確認しろ』 『わかってるって凪』 維胡琉の言っていた現場に向かっているハンターというのは、この二人なのだろう。 現在の空のいる場所を伝え、維胡琉から開始・終了方法を聞いた旨を伝えると、凪からよし、という声が聞こえた。 『鬼ヶ原、今俺たちは家の前にいる』 『お前から連絡来るまで、ネットにつないで調べてたのに……維胡琉さん伝えてたのは想定外だったがね。もっと別の事を調べりゃよかったか』 「気にするな、私もひとりかくれんぼの事を詳しくは知らんしな」 『……とにかく、今から俺達は中に突入する』 『人命第一ってわけで、この家の人も許してくれるだろうさ!』 「ああ、待ってる」 電話を切る。 ひとまず、もう少し休憩を取ろうと思った。 なんせ、二人とも回復できないメンバーだからだ。 この右手と足の怪我も、もう少し付き合わなくてはいけないだろう。 来るまでもう一眠り、と思った時に灰原からメールが届く。 『空、生きてるか。 解決方法を追記しておく。無事に帰って来いよ』 と、その後に長々と解決方法が書かれていたが、要約すれば維胡琉と同じ内容だった。 「キャアアアア!」 メールを見て、いつも後手に回る灰原に呆れていた瞬間、上の階から悲鳴が聞こえた。 まだ登也と凪は来ない。 そして、一人では死体とぬいぐるみ同時相手はまず不可能。 彼らを待ってから3階に向かうか、それとも今向かうか。 選択が迫っている――。 ☆☆☆ 8月18日午後21時15分。 登也と凪は、空と電話を終えて家の中へと入ろうとしていた。 「凪、準備はいいか?」 「……ちょっと待て登也。この状況どうするんだ」 無視して行きたかったが、電話を終えた後に人が集まってきたのだ。 しかも誰が言ったのか、ひとりかくれんぼでの事件と知られてしまったせいで、更に野次馬は増える。 「みなさーん!危ないので中へは入らないでくださいねー!」 「おい!中は危ないぞ!」 「あ、押さないで!危険だから!本当に危険ですからね!」 「ったく……!」 野次馬から抜けて、中を覗こうとしたのか1階の窓を開けようとしていた少年を凪が止め、押してどんどん前に、玄関の前まで来ている野次馬の群れを登也が押し返す作業で、時間ばかり食っていた。 そして、その時二人は見た。 野次馬の中から、龍志狼が薄ら笑いを浮かべて、去っていく姿を。 「あの野郎……っ!」 「待て、登也。鬼ヶ原を優先しろ!」 「わかってるッ……!」 凪はそういいつつも、直感した。 ひとりかくれんぼがなぜこのタイミングで流行り出したか。 龍志狼の出現。 この二つが繋がるのを。 「押さないでッ!押さないでくださいッ!」 「いい加減にしろ!」 どんどん増える野次馬。 そして先ほどの少年がまた凪の目を盗んで、窓から入ろうとしていたのを再度止める凪。 この野次馬の群れをどうにかしなければ、中へ入る事すらままならないだろう。 ☆☆☆ 空…HP230/MP135/OP51/状態:重症(休憩を取るまで、行動する度にHP-200)
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福良練ストーリー内容 第一話【花を愛する人】 参加メンバー:福良練(メイン)・日野守桜(サブ)・桐石登也・白神凪・藤八沙耶・六角屋灼 帰宅途中、貴方達はふとした人だかりに出くわす。 福良練が住んでいる商店街の、花屋。 そこで練は以前、花屋の家族の代わりに店番をしていたという老人とあった。 その男性が、倒れていた。 おそらく、再度出かける花屋の家族の代わりに店番を申し出たのであろう彼だったが、誰も助けようとはしなかった。 貴方達が容態を確認しようとすると、近くにいた男に止められる。 なんでも、メガネをかけて髪がボサボサの男に誰も老人に触らないようにと言われて、彼は他の誰も触らないようにと気を使っていてくれたらしい。 そのメガネの男をハンターと思っていたらしい彼だったが、貴方達がハンターとわかればもう止めようとしなかった。 近くにいた女が練に触れて確認してみればいいと助言をしてくれたので、練が触ろうとしたら練の体に何かが入り込む感覚があった。 ちょうどメガネの男と身なりのいい男…は土御門伍代だったので凪達が詳しく聞くと、メガネの男はこの症状に詳しい人物らしい。 「呪い」。簡単に言えばそういうものらしく、下手に触るのは危険らしい。 メガネの男が解除のための陣を描いていると、練も触ってしまったことを申告。 彼は心底だるそうな顔をしながら、練も陣へと入れて儀式を行った。 こんな簡単なことで呪いを解いたようだが、詳しいことは聞かせてもらえず、また誰が呪いをかけたのかすら教えてもらえなかった。 練の呪い(触ったためについでに受けた)は解除されたはずだったが、まだ体に違和感を覚えながら帰路へとついた。 第二話【ヒラリアの遺跡攻略】 参加メンバー:福良練(メイン)・白神凪(サブ)・志島武生・月宮香蓮・藤八沙耶・福良練・柳茜 貴方達は西蘂町の平於山にあるヒラリアの遺跡へとやってきた。 第一層は以前、東雲直達が突破していたので、今回は第二層からになる。 第二層から第四層までは、花や場違いな回転ノコギリと言ったトラップがあり、それを何とか潜り抜ける貴方達。 第五層へやっとの思いでつくと、そこには祭壇があるだけだった。 かつて、ここで巨大な魔花と化したヒラリアの花と、別のハンターが戦ったようだが、現在は討伐され何も祭壇には無い状態。 そこで、白神凪は彼自身の中に住まう悪魔、ラウムの声を聞く。 彼の忠告通りに体を譲ると、ラウムは協力的で祭壇の空間へと手を突っ込み、異次元空間を引っ張り出した。 そのまま異次元空間を進むと、マート、ミルヒ、ヒラリアの三花があたりに咲き乱れる中心。階段を上がった先に椅子があり、そこに一人の少女が座っていた。 凪の体を借りたラウムは、その少女を見るなり襲い掛かるが返りうちに合い、ラウムのみを凪の体から引きはがされた。 しかし、少女―フェルゼと名乗った―の悪魔は、敵意を持っておらず、福良練の事を姫神の裔と呼ぶ。 彼女はただ対話がしたかった。 そして、外の世界を見てみたいのだと言う。 紅の商店街で、練にかかった呪いは確かにフェルゼの呪いで、ここへ来るように仕向ける呪いだそうだ。 もし誰かが来ようとするのを妨害するならば、やがて衰弱し死んでしまうような危険な呪いらしい。 だが、フェルゼ自身その呪いを無差別にかけたわけではなく、彼女が言う「小僧」と呼ぶ男が呪いを持ち去ったという。 それが巡り巡って練に渡ったわけらしい。 結局、ここまで来れば無条件で呪いを解けると言うフェルゼ。 必ずしも、凪とラウムの関係のように呪いに生命を脅かされる心配はなかった。 だが、彼女の事を想い、少しでも力になりたかった練は、悩みに悩んだ末にフェルゼと契約し、5年程の寿命を彼女にあげることにより、彼女と共にこの遺跡から外へと出ることを決意したのだった。
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DQ10 ドラゴンクエスト10 すれちがい通信 wiki Wii用ゲームソフト「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族」のダブルすれちがい通信wiki(仮)です。
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1 3月になったとはいえ、昼間の海水でも全身を冷やすだろう。 飛鳥の魔術道具による海底に潜る道具を使い、直接水には触れていないとはいえ、ひんやりとした空気が周りに漂うのだ。 遺跡の中、A群へと進んだのは天瀬麻衣、行成ハナ、福良練、柳茜、甚目寺禅次郎の5名は、暗い海中の遺跡の中、防水加工がされた懐中電灯を照らしながら進む。 遺跡はかなり朽ちており、瓦礫が遺跡の底へと至る所で沈んでいる。 左右正面と来た道以外に3カ所へ進む道があり、正面の門は鍵穴もなく固く閉ざされている。おそらく、左右の道に先へ進む何かがあるのだろう。 左右にはブレードのトラップが動いており、盲アンコウがその周囲を動き回っている。 盲アンコウは貴方達に気が付き、ゆっくりと泳ぎながら襲い掛かってくる! まず禅次郎が剣技舞来Lv1を放ち2体を倒すと、茜がフリーファントLv1からのW4U発動で、1体を撃破。 W4Uの効果で茜の技能が100上昇(撃破ボーナス)する。 仲間を倒され、怒った盲アンコウは茜に噛みつき120のダメージ。 そのまま盲アンコウは茜にぶつかり溶けるように消えていった。 茜のステータスがALL100下がる。 練がすかさずキュアLv1を発動し、茜の傷を癒す。そして麻衣がブレスLv1で茜のステータス異常を回復した。 敵がいなくなり、全員でブレードの解除を試みる。ハナがスイッチを押した瞬間、右側のブレードが止まった。 しかし、その奥から盲アンコウが2体やってくる。この遺跡A群にいた盲アンコウとほとんど変わらないが、強さはさらに上。 おそらくこのエリアには餌になる魚も見当たらないため、弱っていたのだろう。やってきた2体はかなり動きも活発だ。 禅次郎と茜が2体と応戦している間に、麻衣と練がスイッチを探し、押そうと探し始める。 練がスイッチを見つけて押したが、二兎を追う者は一兎をも得ず。禅次郎や茜を回復しながらトラップ解除までは彼女には荷が重すぎたのか、スイッチを間違え押した瞬間10体の盲アンコウが右側から呼ばれるようにやってきた。 しかもハナがずっと押していないと、スイッチは自動で解除されてしまう類のようだ。 ならば一旦スイッチを解除すればいいと思うが、盲アンコウはうまい具合に前線の茜と禅次郎を囲み、今スイッチを離せば動き出したブレードが彼女らに当たってしまう。 練は茜と禅次郎のサポートをするべく、スイッチ探しを麻衣に任せたが、いかんせん数が多い。 皆がピンチと思った時、貫糸の糸、そしてリーフクルツの風が盲アンコウへと当たった。 仲間が来たのだ――。 2 煌々の道へ来た向坂維胡琉、板垣勝猛、日野守桜、桐石登也、烏月揚羽、日浦博喜の6名は、維胡琉と桜以外の4名がひきつけ、桜のスペルオールから、維胡琉発動のリーフクルツで海木樹33体を一掃した。 ひとまず水中への道の確保が完了した面々は、維胡琉、登也、桜、揚羽の4名はそのまま遺跡内部へと進む。 残った勝猛と博喜は、要救助者が出た時に備え海中で待機するのだった…。 3 麻衣、茜、練、ハナ、禅次郎は維胡琉、登也、桜、揚羽の4名と合流。 それに伴い練と茜はスイッチ探しに徹し、維胡琉と登也と揚羽がアタッカー、麻衣と桜が回復手へと切り替わった。 コンセントレートLv1からのリーフクルツLv1は、盲アンコウの弱点というわけではなかったが、登也の貫糸Lv1、揚羽のフロイントLv1と禅次郎の剣技舞来Lv1合わせ1体1体確実に撃破していく。 盲アンコウは噛みつきを行うが、麻衣がキュアLv1、足りない場合は桜のオーラLv1というパターンを2回繰り返したころ、5体の盲アンコウを撃破し残り7体になった時。 茜がスイッチを探し押す。すると左側のブレードが止まり、大きな音と共にスイッチは固定化された。 茜、練、ハナも戦闘に加わり、他5名は同パターンを再度行いつつ、茜は再度フリーファントLv1をかけなおしW4U、練はキュアLv1で回復しつつ、ハナはオーラバッチLv1を茜に使い撃破スピードをアップしていく。 それでさらに4体撃破し、残り3体。後は盲アンコウに攻撃される前に、通常攻撃で全滅完了を行うのだった。 ― これで安全に左右の道へ進めるようになったが、貴方達は一度引き返すことになる。 船上に戻り待機していた勝と博喜の2名から、至急戻るようにと連絡があったのだ――。 ✩依頼:魔物の生態調査の進行度+1✩ ✩調査:海中調査完了✩ ✩シークレット3つ目:呼び戻される前に海上・海中の調査を完了しているを達成✩ 戻る
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街・施設 メッセージウインドウ表示時、Bボタンを押すとメッセージ送りが簡易スキップできる。 食事ムービーとふらっとハンターの送り出しはSELECTボタンで簡易スキップできる(遭遇ムービーはできないので右上のSKIPを押す必要がある?) セーブをする時、マイハウスにいくより郵便屋に話しかけてすれ違い通信設定→Bを二回押したほうがはやくセーブできる 部屋にいるアイルーからモンニャン隊の委託が可能。ムービーが飛ぶのでぽかぽか島よりも遥かに短くできる。 マイハウスのギャラリーで見られる遭遇ムービー等は、プレイヤー、アイルー共に現在装備している物が反映されて流れる。 「アイテムマイセットを所持」を選ぶとマイセットに登録されていないアイテムを持っていた場合、自動で全部倉庫に入れてくれる。クエストをクリアした後等、「アイテムをしまう」で一つ一つ倉庫に入れなくていい。 探索・戦闘共通操作関連 たいまつを持ちながら採取ポイントの上でR+Aを押すと、たいまつを持ちながら採取できる。そのためジャギィなど肉食系モンスターに採取の邪魔をされ難くなる。ちなみに虫系モンスターは集光性があるので逆効果。 フィールドで空を飛んでいる気球に向かってアクション「手を振る」を行うと短時間大型モンスターの位置が表示される(千里眼の薬の効果) 卵以外の納品クエストの場合、対象のアイテムをポーチから直接納品できる。(BC内で納品できるだけであって、BCに戻らなくても良いわけではない)ただしサブターゲットに指定されているものはできないためBCに戻る必要がある Bボタンでしゃがまないと進めない低い通路は、攻撃しながら入ると攻撃し続けている限りしゃがまない。連携で前進すれば全くしゃがまないまま通過できる。 ダッシュするとき、Rボタンを適度に連打するとスタミナを維持したまま走ることができる。 武器別小ネタ 笛は空中攻撃で旋律を溜めることができるので崖を飛んでエリアチェンジする所ではエリアチェンジ前に1個チェンジ後に2個目が吹ける。そして着地までにRを押せば着地からそのまま演奏することができる。 ガンランスの竜撃砲は背中部分にも当たり判定が発生する。モンスターに密着して打てば反動で遠ざかることなくすぐに攻撃・防御にうつれる。 弓の近接攻撃は装着したビンを消費せずにビンの効果を毎回かならず発生させることができるので、甲虫種の小型モンスターを毒殺しないと手に入らない素材(モンスターの濃汁など)を集めるとき便利。 ゲリョスの死んだふり ゲリョスの死んだふり最中でも剥ぎ取りが行える。 段差関連 高い場所から降りるとき、着地時にスライドパッドを入力しておくと隙を小さくできる。抜刀時でも可能。ただし、空中で攻撃しているとできない。 どのような降り方でも、回避で隙を小さくする事は可能。 納刀時の少しだけ前進する間にスライドパッドを入力するとその方向に動けるのだが、納刀途中に段差を降りるとモーションが省略される。これを利用してスキルがなくても納刀を早く行うことができる。 ネルスキュラなどに睡眠状態にされた際、段差の淵に立つことで、寝て倒れた時にそのまま落下して睡眠状態を解除することができる。 スキル関連 スキル「回避距離UP」は地上での回避のほか、壁はりつき状態での回避距離も伸びる。 スキル「高級耳栓(または耳栓)」は乗り攻撃中のモンスターの咆哮によるゲージ蓄積効果も無効果できる。 その他ちょっとした小ネタ MH3G同様、3DSのホーム画面で上画面に「MH4」のタイトルが表示されている時に画面に向かって息を吹きかけるとキャラバンが高速回転する。 探索中にプーギーを助けた後、同じマップに入りなおすとそのマップ内でプーギーが散策している。Aボタンで会釈可能。
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天瀬麻衣ストーリー内容 第一話【漣島での決闘】 参加メンバー:天瀬麻衣(メイン)・向坂維胡琉(サブ)・板垣勝猛・鬼ヶ原空・白神凪・桐石登也・月宮香蓮・柳茜 3月31日から4月1日の深夜まで続いた漣島での調査から一夜明け、朝貴方達は宿で休憩をしていると、飛鳥軍所属の美澄少尉から声をかけられる。 なんでも、新人との模擬戦をやってみないか、との事だった。 貴方達はそれを引受、人気のない海岸沿いまで移動する。 相手は3人で、まず一ノ瀬と二ノ宮VS勝猛・空・凪・登也・香蓮。 攻撃の一ノ瀬と補助の二ノ宮といった感じで、うまいコンビネーションを繰り出してきたものの、やはり新人のためか経験の差か、それとも人数の差か。 貴方達は圧勝した。 続けて二戦目。最後の軍人の一人VS麻衣、維胡琉、茜での戦闘。 こちらも軍人にとってはハンデ戦だったが、麻衣、維胡琉は指名してでの戦闘だった。 茜のABBAで簡単に決着はついたが、麻衣と維胡琉への言動、そして双短刀の武器という共通点から、想像は容易かった。 名前こそ名乗りはしなかったものの、かつて麻衣や維胡琉とは敵同士でもあり、最後は歩み寄れた天使の福音のメンバー、牧本シュウだった。 彼はある事情により、飛鳥軍に協力し一時的に特務部隊所属となったようだ。 麻衣と維胡琉に再会の挨拶を済ませると、美澄は試合終了を宣言し、先に宿へと帰っていったのだった。 7年ぶりの再会に、こちらも見知っていた登也や凪ほど話しかけられはできなかった麻衣だったが、また再会できる事を想い宿へと戻っていった。 第二話【東海大決戦!】 参加メンバー:天瀬麻衣(メイン)・白神凪(メイン)・柳茜(メイン)・桐石登也・向坂維胡琉・志島武生・福良練・幸村カヤ 紅のギルド会館からリニアモーターを利用し、蒼へ。 そして蒼から飛鳥の軍船に乗り漣島へ。 万が一に備え、また避難の手伝いをするため、島へ残る者と海獣バルガ討伐隊は軍船に乗り、栄命島のあった海域からさらに東へ向かう。 作戦は貴方達が乗る船が囮となり、バルガを引き寄せつつ後退。 そして四隻の船の間へと後退しつつ、射程圏内に入ったバルガを残り四隻で集中砲火の予定だった。 しかしバルガは知能がかなり高く、遠くからレーザーのような光線を口から吐く。 少し作戦を変更し、貴方達の船は前進しバルガへと攻撃を仕掛けた。 だが攻撃して間もなく、伝令役の軍人、二ノ宮から待機している四隻の方にバルガが3体出現したという報告が入った。 このまま合流すれば、3体も同時に相手をしているのに、この四体目を相手にできるはずがない。 そう判断した、全体の指揮をとっていた海江田少尉は、貴方達の船に北西に向かうように伝える。 そこは、万が一バルガを打ち損じた時に、次の砲撃の用意が整うまでの準備をさせるために、小さな無人島へとおびき寄せるためのポイントだった。 貴方達は誘き寄せようと移動を始めると、新たなバルガが現れ、二体を誘いつつポイントへと向かったのだった。 無人島へ上陸した貴方達だったが、バルガは一定の距離を保ちビームしか撃ってこなくなった。 しかも、ピンポイントで軍船のみを狙っている。 軍船が壊されたら、大雨の中泳いで漣島へ戻るのはまず自殺行為。 なんとかこの場で仕留めるため、軍人である牧本を筆頭に凪、武生(の魔人形作成)で誘き寄せることに。 バルガは人間を狙っているようで、近寄ると踏みつぶそうと襲いかかってきたため、逃亡を図る2人と魔人形1体。 まだ使い慣れていないためか、途中で魔人形は踏み潰される。 そして牧本も最後の最後でバルガに踏み潰されたが、凪はなんとかバルガを無人島へ上陸させる事に成功した。 上陸したら、まずこちらのもの。 麻衣の結界や茜のABBAにより、バルガは時間を掛けずに撃破に成功した。 それと同時に飛鳥軍も3体のバルガ撃破に成功し、こうして貴方達は漣島へのバルガの上陸を防いだのだった。 牧本は大怪我をしたものの、踏み潰される前に結界を張りダメージを軽減したお陰か、命に別状は無かったようで一安心した麻衣だった。
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SS57 すれ違う 田井中律がいなくなってから一年と言う月日が流れた。 「憂、今日は帰らないから」 「うん。律さんによろしくね」 唯は妹の憂に見送られて家を出た。 一年と少し前、唯は律自身から心の準備をしろと告げられていた。 「ちゃんと年に1回は会いに来いよ。お供え物は私が食べるまで手ですなよ?」 「うん…」 冗談っぽく笑う律の傍らで、唯も少しだけ笑った。 律が明るくふるまうので、周りの人達も奇跡が起きるんじゃないか?なんて思うほど前向きで居られた。 『なぁ、唯。来年の夏は旅行しようぜ。お前どこ行きたい?やっぱ夏だから海かな』 律が旅立つ直前に交わされた約束。この約束が守られる事はない。。 「お姉ちゃん…一日くらい会社休んでも…」 律とお別れをしても唯は変わらなかった。 憂に起こされなくても定時に起きて会社に行き、夜になったら帰ってきて早目に眠る。 生活だけを見ればむしろ以前より良くなったのかもしれない。 「憂、明日は会社休むからご飯いらない」 「うん。そうだね」 律が亡くなってから一年になる前日、初めて唯が会社を休むと口にした。 憂は何も聞かなかった。無理して誤魔化せるほど姉と最愛の人との絆は細くないことを知っていたから… 「今年の夏は海に行くって約束してるから、明日行ってくることにするよ」 誰とは言わなかったが、唯の表情を見ればその相手が律の事だと理解できた。 「どこの海に行くの?」 「昔合宿で行ったムギちゃんの別荘があるところ」 「気を付けてね」 ―――――――――――― 「………」 高校生の時の事を思い出しながら電車に揺られる。 「見てりっちゃん。海だよ」 そこに律の姿はないけど、思い切り窓を開けて身を乗り出してみる。 『海だ―!!』 聞こえるはずの音が消えて、聞こえないはずの無い律の声がした。 唯は手に持っていた携帯電話を窓の外に投げ捨てる。 ゆっくりと視界から消えていく携帯は、誰かからの着信を知らせるために光り輝いていた。 ――――ごめん、憂―――― 「”もう”帰らないんだ」 『ほら、泳ぐぞ唯!早くしないと置いてくぞ』 唯は誘われるままに瞳を閉じて前に進んだ。 end
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エピローグ~one year later…15~ 日差しも強くなってきた季節。 豪華客船エルスール号特別客室。 此処はVIPの客が宿泊する場所で、蒼氷カノンはそこにいた。 飛鳥軍臨時外交官として。 「おや?どうしました蒼氷外交官。この船はお気に召しませんかな?」 「アセド外交官…。いえ、エスタルド領に入るのは初めてのものでして…緊張、しているだけです」 「ハッハッハ、どうか寛いでください。飛鳥帝国、メロウの港を出港し3日。後2日は到着にかかるのですからな」 旅客船での片道が5日。 その長旅の先に、西大陸南部のエスタルドと呼ばれる、小さな島国がある。 現飛鳥帝国皇帝、ヒース=べルジェラックの2代前の皇帝の時に、隣国の脅威により同盟国である飛鳥国へ支援を頼んできた国だ。 その後エスタルドの隣国を飛鳥軍が追いやった後に、飛鳥軍が和親条約を結ばせ、永久的な保護と理不尽なくらい高額な関税を先代の皇帝の代まで行ってきたのだ。 『蒼氷大尉、貴殿はこれより臨時外交官としてエスタルドに赴いてもらいたい』 謁見の間。 その場で、皇帝ヒースの立ち合いの下、飛鳥宰相により告げられた任務。 『3つの任務を与える。1つ、近年エスタルド軍が大規模な徴兵を行っている。 愚かにもこの飛鳥帝国へ攻め入ろうという噂があるのだ。貴殿にはその真偽を確かめてもらう。』 エスタルド軍といえば、西大陸の軍人でもかなりの練度で有名な軍だ。 西大陸と言えば、大和でいうハンターのように傭兵が主流であるが、エスタルド国は傭兵参加を認めていない。 それどころか、一人のエスタルド兵が傭兵の高ランクをも討ち取るほどの実力者揃いだ。 飛鳥の軍人はその更に上をいくが、それでもそんな者達が飛鳥に攻め入るという不穏な情報があれば…その真偽は確かめねばならないだろう。 「蒼氷外交官」 「はい…?」 ふと考え込んでいると、アセド外交官が鋭い目つきでカノンを見る。 すぐに笑みへと変え、話を続けた。 「お疲れならば、お休みになってください。なんなら、後で酔い覚ましを持ってきましょう」 「いえ、お気になさらず。ですが、そうですね…少し、休ませてもらい、ます」 「ええ、その方がいいでしょう。それでは、ごゆっくりお寛ぎください」 アセド外交官は一礼すると、特別客室から出て行った。 アセド外交官。外交官と言っても、カノンと同じように軍部出身で、外交官に相応しくない体格の屈強な男だ。 エルスール号へと乗船し3日。 未だ、アセド外交官が読めない。 「鍛錬不足、ですね…」 ため息をつき、窓の外を見る。 月が陰り、薄暗くなっていく。 雲の動きが早い。嵐が来るのかもしれない。 この辺りの海域は、突如暴風雨が吹いてくるため、難破する船も少なくない。 その嵐をティフォーンとエスタルドの漁師は呼んでいるようだ。 『2つ目の任務。それは、行方不明の白鷲外交官の調査だ』 『確か、エスタルドの飛鳥大使館の…』 『うむ。彼がここ1ヶ月程、連絡を絶っている。エスタルド側に問い合わせると、調査中との反応しか寄越さない。 そこで、現地に赴いた時に安否を確認してきてほしい。 1つ目の任務が事実であるのならば…既に、白鷲外交官は生きてはいないだろう』 白鷲外交官。 前任の宰相の下で政治学を学び、先代の飛鳥皇帝にも重宝されていた外交官だ。 マメな性格で、月1どころか2週に1度報告を行うほど、連絡を欠かさない。 その彼の最後の通信が先月。 それも、エスタルドが軍事拡張を行っているという情報が最後らしい。 その後2回、一般客と共に飛鳥の軍部関係者を向かわせたが、2回ともティフォーンにより難破。 その軍部関係者の安否も分かっていない。 だからこそ、今回は臨時外交官として堂々と、豪華客船へと乗船手続きを行った。 このエルスール号は飛鳥~エスタルド間を繋ぐ船で、非常用のアイテムも多数揃っている。 もちろん、飛鳥軍が使用している、水中で息ができるアイテムも備えてある。 回想を終え、カノンはベッドへと横になった。 此処にはカノンのみ。 カノンの仲間は、一般客室での乗船手続きとなっている。 「そろそろ、出てきたらどうですか?」 なので、今は仲間がこの部屋にはいない。 暗殺を行うには絶好のチャンスなのだ。 いつの間にか部屋に侵入を許したのは、鍛錬不足としか言いようがなかったが、カノンは気持ちを切り替え近くに置いてあった槍を手にする。 「フ…どうやら勘はいいようだ」 おそらく最初から気配を殺して潜んでいたのだろう。 黒いローブに頭まで包まれた者が、カノンの目の前に姿を現した。 外国語で独特の口調ではあるが、口調からして、カノンと同じくらいの若い男だろうか。 殺気こそないが、二本の曲刀を構えたローブの男。 エスタルドの軍人が使う、剣術の一種だ。 カノンは外国語に切り替えながら、相手へと尋ねた。 「一体、何者です…?」 「エスタルド軍機密部隊、トルナード二等兵だ。天瀬麻衣…貴様にはここで死んでもらう」 丁寧に名乗った暗殺者にずっこけそうになりながらも、槍を強く構えたカノン。 構えから腕は立つのはわかるが、どうやらおっちょこちょいな暗殺者のようだ。 しかし、訂正すれば麻衣に危険が及ぶのは必至。 ならば、ここで何とか対処する必要があるだろう。 「ふむ…魔術のみ…と聞いていたが、どうやら古い情報だったようだ。しかし…」 「!?」 カノンに切りかかるトルナ―ド。 彼はカノンが槍で刃を防ぐと、そのまま曲芸師のようにつばぜり合いをしたまま宙返りし、彼女の背後に回り込んだ。 「お前が勝てない理由が2つある。その1、ここでは広範囲魔術は使えない。もし発動し船に穴でも空ければ、こんな大海原のど真ん中で他の乗客への迷惑になるからだ」 「くっ」 相変わらず人物を間違っているようだが、カノンも広範囲魔術が多い。 かと言って狭い客室の中では、簡単な魔術でもカノンの魔術の威力なら簡単に船底に穴が空くだろう。 ターゲットロックして、トルナード以外に当たらないようにしようにも、彼の動きがトリッキーすぎて魔力を合わせる事ができない。 「その2、10分間は我が仲間がお前の仲間を足止めしているだろう。つまり、10分以内にお前は死ぬ」 「だったら残念、そのお仲間は1分で倒しちゃったんだなこれが!ブラックドッグ!」 銃弾がローブを貫く。 足と腕、急所は外した。 桐石登也が特別客室の扉を蹴り開けて、カノンの援護射撃を行ったのだ。 「成る程、評価を改めなくてはならないようだな!」 ローブの中へと曲刀を腕と足に回し、銃弾を防いだトルナード。 その後ズバッとローブを切り裂き、ローブの下も黒尽くめのラフな格好を晒した。 「さすが、ただの暗殺者じゃないな…!」 「当たり前だ。エスタルド軍機密部隊は任務遂行のために血反吐を吐いて日々訓練を積み、他国に遅れを取らぬよう精進している。その程度の攻撃で倒れる程――」 「ありがとう、ございます、登也さん」 突如動かなくなった体に驚愕の様子を見せる男。 見ると手足が凍りついて動かなくなっている。 部屋全体の気温が急激に低下している事に気が付いた。 カノンが魔術で、辺りを自分の意のままに凍結させる結界を展開したのだ。 「ふむ…地味だがこの上ない一手だ。さすが結界使いなだけはある」 「それはどうも。四肢を完全に、使い物にされたくなければ、降伏してください」 「チェックメイト、だ」 大気の氷を操るべく、手のひらをトルナードに向けるカノン。 それを見て銃口を向け、自分がよくチェスを行う、一度だけ引き分けに持ち込めただけで後は全く勝てず、その時と同じような台詞で煽る登也。 男はため息をついた後、両手を挙げた。 「まあ…やはり使わなくてはならないか」 「…何を?」 「…!カノン、構わねぇ!死なないように全身凍らせろ!」 登也が何かに気付いたように叫ぶが、男は薄く笑う。 そして、右肩の服が浮き出てきた赤く光る痣により破かれた。 登也はこれを良く知っている。 なぜなら、彼やカノンと共に同行している人物が持つ『聖痕』と呼ばれる痣と同じ痣だったからだ。 「もう遅い。アンタッチャブル解――」 そう叫ぼうとした時、船体が大きく揺れ90度傾いた。 聖痕を解放しようとした男は、そのままバランスを崩して壁に激突する。 「なんだ…!?」 「登也、さん…!」 カノンが指さす外の先を見ると、船体の外に大きな渦潮が現れている。 その渦潮は竜巻を発生させ、エルスール号を引き寄せているかのようだった。 「ティフォーン…い、いやあれは――」 男、トルナードがそう呟いたのが、この船の最後だった――。 ◆蒼氷カノン 異次元帰還後、様々な任務をこなし半年で大尉に上り詰める。 そして今回の重要な任務を託されたが、この事件で5ヶ月の間、消息不明となる。 その後無事に帰国した時は、エスタルドの情勢も彼女達の手で解決し、その功績を認められ少佐にまで昇格したと言う。 飛鳥支部へと移籍した桐石登也とは婚約を交わしている間柄で、叔父である蒼氷リオンの家で登也と共に同棲中。 ☆ 暗闇の中、二人の男女が蝋燭を灯し、一つのテーブルと二つの椅子にそれぞれ腰かけている。 『貴方はもうこの世界にいない』 『ならば、こんな世界壊してしまおう』 『―――のために。来世でまた一緒になるために』 ☆ 薄っすらと目を開けると、そこには天瀬麻衣の先輩、烏月揚羽が心配そうに麻衣の顔を覗き込んでいた。 「マイティ、すごいうなされてたよ?大丈夫!?」 「…平気です、先輩…水貰っても良いです…?」 「あっ、まだ船酔いしてんだ!?ごめんごめん、今もってくるねー!」 水をちょうど切らしていたため、慌てて厨房へと走る揚羽。 その姿に僅かに笑み、疲れた溜息をついて再度目を閉じる。 「一口飲んだやつでよければ…飲む?」 「…ええよ、こうしてると少し楽になってきたし。志島は酔わないん?」 「まあ、船旅は慣れてるんで」 自分が飲んでいた水を差し出そうとしたが、断られたため引っ込める志島武生。 そして行ってしまった揚羽が出て行った開けっ放しの扉をじっと見て、立ち上がり閉める。 少しの間、沈黙が流れ。 「そういえば、天瀬さんは聖痕の事で今回の依頼を受けたんでしょ?」 沈黙を破ろうとしたのか、それとも興味があったが聞き出す機会が無かったのか。 武生がそう尋ねると、麻衣は上体を起こし、きょとんとして。 「そうやけど…その口ぶりだと、志島は違うん?」 「…まあ」 「…そう。言いづらいなら言わなくてもええよ」 「いや、そんな訳じゃないけど。エスタルドを含めた西大陸の南側8ヶ国に、まだ一度も行ってなかったから。FMXって、西大陸の中でも南の国が一番盛んだからさ」 へえ、と相槌を打ちつつ、乗船時に武生は自分のバイクを積み荷としていた事を思い出す麻衣。 暫し沈黙の後に、付け足すように武生が話を続ける。 「まあ、南部が一番戦争が少ないからっていうのもあるけど。エスタルドはFMX自体流行ってないらしいから、布教も兼ねて、かな」 「ちゃんと下調べしてるん?偉いね」 「そんな事ないよ。…それに、水鏡さんらしき人の目撃情報もあったから」 最後の言葉に、麻衣は少し驚いた顔をして見せたが、そっか、と優しく笑い。 行方不明で死亡説も流れてた水鏡流星。 その彼を見かけたというのが事実なら…最近色々といい噂を聞かないというエスタルドに、何の用だったのか。 そもそも、エスタルドに用があったのか。 「天瀬さん?」 「ん、何でもないよ」 「マイティ!水、持ってきたよ!!」 勢いよく扉を開け、水を持ってきた揚羽が客室へと入る。 どうも、と水を受け取ると、このまま飲まないのも悪いと思い、麻衣は一口水を飲んだ。 此処は5人一間の客室で、麻衣、登也ともう一人、今回のカノンの任務にハンターとして護衛依頼で同行している。 特殊な事情としては、揚羽と武生か。 揚羽は麻衣に頼まれて。 武生はハンターを既に辞めていたが、先日偶々大和のカーネリア大聖堂で登也と会った時に、声を掛けられたのだ。 ハンターを辞めているため既に武器は解体し、魔術ももし使用した事が発覚したら、ギルドに違反扱いを受けるだろう。 そのため断ろうとしたが、FMXや行方不明の水鏡の事もあったため、結局引き受けてしまった。 そんな異色な組み合わせではあるが、過去にハンターを行っていた者や現在進行形でハンターの者を乗せた船が港を出港し、既に三日目。 海を見るのも飽きてきたところで、麻衣は船酔いしてしまった。 気を紛らわそうと会話を続けようとして、揚羽に声をかける。 「それにしても先輩、よく同行できましたね。今手配されてるんやとてっきり…」 「されてるよ?」 「…ああ、だから出港の時にコソコソとしてはったんですね…」 「…今回は軍人に話いってたと思うし、スルーされてそう」 武生の指摘通り、今回は揚羽は見逃されている。 もちろん、揚羽自身もその事はよくわかっていた。 だからこそ出港時の見送りも、こっそりと久遠が来ていたくらいで、飛鳥では悪い意味で有名人である契や祈那は顔を出すことができなかったのだ。 ともあれ、その二人の伝言も久遠からきっちりと聞いていたのが救いだったが。 「さっすがカタメ!いい王様だよねー!」 「でも、蒼氷さんは任務だしわかるよ。俺達も依頼で関係者繋がりでわかるんだけど…天瀬さんだけなんで確実に頭数に入ってたの?」 「…それはうちが聞きたい。…まあ、これなんやと思うけど」 麻衣は、自身の聖痕のある位置を指さした。 それはそうだけど、と先ほども理由を聞いた武生は更に尋ねて。 「なんで天瀬さんなのかってこと。そんなに聖痕に関係するような、物騒な依頼なの?」 「だからアタシ達が聞きたいんだってっ!ね、マイティ?」 「うちに振らんでください」 そうしたやり取りを続けていると、客室の扉が再度開いた。 5人目の彼らハンターのサポートを行うべく、大和粥満から出張してきた諏訪戒人だ。 「天瀬麻衣、起きていても大丈夫なのか?」 「お蔭さまで。ご迷惑おかけしました」 「フ、迷惑など掛かっていないさ。まだ二日はかかる。ゆっくり休んでいるといいだろう」 それだけ言うと、戒人は踵を返してまた部屋から出て行こうとする。 見回りを買って出てくれているが、さすがに何度も部屋を出入りされても落ち着かない。 なので麻衣が呼び止めると、彼は一つ息をついた。 「お前達はここに居ろ」 「あ、ちょっと待ってよっ!」 揚羽が戒人の後を追おうとしたが、麻衣に呼び止められて躊躇した後、自分の席へと座った。 あくまで今回の目的は、蒼氷カノンの護衛と天瀬麻衣の護衛。 もっとも既にハンターではない彼女には受ける必要のない依頼だが、可愛い後輩の頼みであり祈那や久遠、契の承諾を得ているため、麻衣の側にいる事が彼女の使命でもある。 「ま、あの人なら問題ないんじゃない?Aクラスハンター並みの実力はあるんでしょ?」 「それはそうなんだけどさー…」 武生の言葉に、尚も納得がいかない様子の揚羽だったが、それは突然の大きな揺れによりすぐに忘れる事となる。 辺りが突如揺れかと思えば、この船、エルスール号が傾いていた。 「な、な、なにっ!?地震!?」 「違う、なんだあれ…?」 外の景色を見ると、渦潮の中心に巨大な竜巻が発生している。 その中に、黒く大きな影が見えた。 「あ、く、ま」 麻衣が呟いた瞬間、彼女の聖痕が赤く光り疼き出す。 今までにないような痛みが走り、揚羽や武生が彼女に声をかけているが、その声は遠く。 なぜか、麻衣はカノンにこれだけ教えられた、3つ目の任務を思い出していた。 彼女がそれこそ諏訪戒人に天瀬麻衣指定の依頼だと告げられ、受けた依頼の内容とも被る。 『蒼氷カノン。最後の任務は余が直接伝える。他の者は鳳中佐以外下がるがよい』 ヒースがそう告げると、カノンと鳳中佐だけがその場に残った。 『…貴様に与える3つ目の任務。それは――』 『3体の強力な悪魔の一柱、『永久のルーファス』の調査、だ。大和のハンター、天瀬麻衣を連れ任務に臨むがよい。ハンターギルドには既に話は通してある』 その悪魔は、聖なる痣を付け、自分の眷属を増やしていくと。 そしてそのまま、天瀬麻衣の意識は闇に途切れた――。 ◆諏訪戒人 異次元帰還後、いつも通り粥満のギルド員の役割に戻る。 しかし、今回の一件により飛鳥ギルド側の要請もあり天瀬麻衣に同行、そのまま彼女や蒼氷カノンらと共に5ヶ月の消息が不明となる。 ◆派手な男 異次元帰還後、稀にバウンティハンターとして飛鳥で活動している所を目撃されている。 ☆ 時間は戻る。 パチパチと火花の散る音で目が醒めた天瀬麻衣は、辺りの状況を確認した。 焚き火がされており、諏訪戒人が麻衣の傍にいる。 「気が付いたか、天瀬麻衣」 「…ここは…?」 「分からない。ただ、どこかに漂着したようだ」 少し山々に囲まれた山道らしき道の外れに、焚き火をしている二人。 他に人の気配は無く、どうやら戒人と二人きりらしい。 「…烏月揚羽と蒼氷カノンは、先行している。他の漂流した者達を連れてな。どうやらここから先、暫く行くと集落があるらしい」 「先輩達は無事やったんですね…。集落?」 言われて麻衣が遠くを見ると、明かりがついている町のようなものを見つけた。 「他の漂流者だけでなく、意識がないお前を連れて行くのは困難と判断した。 だからあの者達には先行してもらい、俺はお前だけを護衛させてもらうことにしたぞ」 「そう、ですか。ありがとうございます」 「礼には及ばないさ。…今日はここで野営する。構わないか?」 う、と一瞬たじろぐが、他にどうしようもないし戒人の提案を受け入れた。 幸い、戒人がほぼ見張りをしてくれるという事なので、1時間だけ途中で交代し、残りは夢の世界へと入って行った――。
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エピローグ~one year later…8~ 12時ジャスト。 柳茜は玖珂ベルルムと連携を取りつつ、エリスタワー1階へと潜入した。 「誰もいない?」 「気を付けろよ茜。奴さんら、結構名の知れたテロ組織らしいからよ」 ベルルムの言葉に頷き、エントランスに出た二人。 そこには人の姿は無かったが…。 「ここもかよ…。どうする?2階に――」 「行かなくても良さそうよ」 エントランスから3階まで吹き抜けになっている頭上を見上げると、そこには人型のロボットが10体ミニプロペラで体を引き上げ、空に浮かんでいた。 ベルルムはギアアックスと呼ばれるハルバードタイプの武器を構える。 対して茜は、右手に携帯電話、左手に星形のバックパックを取り出してアプリを起動した。 するとバックパックへと茜の魔力が流れる。 魔素が極端に少ない出雲の街中でも使えるようにと、微量の魔力でも反応するように松原エレナの祖父、松原クリストフが発明した機械装置だ。 そのバックパックが変形し、巨大な白銀の翼へと変化した。 もちろん、見た目はメカメカしいが、それでもまるでかつて大和に存在した竜、グレイシアの翼のように美しいフォルムをしていた。 「ベルはサーチをお願い。後、撃ち漏らした奴と」 「へいへい」 「じゃ、いっくぞー!」 ヘッドホンについたインカムのボタン部分を押すと、ゴーグルのように目を覆う装置が現れる。 ベルルムがそれで周辺のサーチを開始するのを確認すると、茜は頭上で機銃を構えたロボット達に目を細め、翼を羽ばたかせる。 翼から炎が噴き出し、その炎がきらきらと雪の結晶のように変化した。 この効果に特に意味は無いが、松原博士の拘りらしい。 茜は空を飛び、そのまま加速しつつロボット達と交差する。 キィン!という音が辺りに響くと同時に、翼に触れたロボット達は真っ二つに切断された。 「残しすぎだろ!」 「あんたの仕事でしょ」 分断されても、地面に落ちてもまだ動くロボットを丁寧に機械式のハルバードで潰していくベルルム。 その間も空中でキィンという音が響き、次々にロボットが落ちていく。 「おい!横からデカいのが来るぞ!」 「横!?」 ゴォォン!と轟音を立てながら、2階部分の壁をぶち抜き、10メートルはある巨大ロボットがエリスタワー内へと入ってきた。 そして飛行中の茜へと豪快なアームパンチが繰り出される。 「遅い遅いっ!」 ウイング『グレイシア』状態での茜の速度に、巨大ロボットの攻撃速度は追いつけていない。 確かに驚きはしたが、出落ち感溢れるロボットに余裕を見せつつ、難なく茜はアームを回避した。 が。 「ぐうっ!」 『おーほっほっほ!甘い甘い!まるで手作りチョコレートのように激アマですわよ!』 高笑いが聞こえ、巨大ロボットから声が聞こえる。 アームは回避したのに、茜の体が痺れて動かなくなったのだ。 そのまま落下し、地面に激突する前にベルルムに受け止められたお蔭で落下ダメージは無かったが、足だけでなく腕も痺れており、声まで満足に出せない状態だ。 『このスペシャル☆フジヤマ試作機の威力はいかがかしら?回避したと思ったら痺れていた。この二段構えが私の素晴らしい科学力でしてよ!おーほっほっほ!』 「辺りに強力な電磁波でも出してやがんのか…?茜、動けるか?」 問題ない、と言うようにジェスチャーをするが、まだ立っているのもフラフラの状態だ。 このままでは次のアームの一撃に耐え切れそうにない。 「仕方ねえ、リリーフだ!お前は少し休んで回復を――」 「そうはいかんよ」 突如、影から現れるようにぬるっと現れた老人。 老人は茜とベルルムの影を踏むと、二人の体が動かなくなる。指一本動かせない。 「このジジイ…!」 『ちょっとコザック、最初はこのスペシャル☆フジヤマ試作機のテストをさせてくれる約束でしょう?』 「アリッサよ、ちゃんと調査書を呼んだのか?無能な騎士連中はともかく、神子と戦乙女。すぐにそのロボットを破壊する手を使ってくるはずじゃ」 『舐めてんの?そんなガキ共、すぐに倒せちゃいますわよ』 「それに…あの臥龍も3層へついたようじゃ」 『臥龍…!それはキケンですわね』 コザックと呼ばれた老人と、アリッサと呼ばれた巨大ロボットを動かす女性の話をただ聞くだけしかない茜とベルルム。 中でも、臥龍…つまり臥龍ヒアデスの方が茜よりも強敵扱いされている事が、茜には面白くなかった。 「ジャッカルは心配ではあるが…レイスが上手くフォローしているじゃろう。レイスならば、双星姉妹に遅れはとるまいて。 それに残りはザコ。松原というハンターは少々手強そうで心配ではあるが、屋上の無能騎士団の連中ならば、今頃ロボットで何とかなっているはずじゃ」 『すべては作戦通りってわけですわね…。予想通りに行き過ぎるのも、些か不安はありますが…まあいいですわ。コザック、例のアレを』 「やれやれ…年寄りをこき使わせすぎじゃ」 コザックが懐から金色に輝く珠を取り出す。 それに魔力を込めると、辺りに青い雷がほとばしる。 それと同時に、雷光により影が消えたため茜とベルルムは動けるようになった。 「ベル!」 「俺の心配よりも、自分の身を守れよ茜!」 「…わっ!」 青き雷は手当たり次第に、変則的に辺りに奔る。 無差別で予想不能の動きに、直撃したベルルムと掠った茜は雷光が止むのを待ち、目を開けた。 お互い、特に怪我などは無いようだ。 未だコザックの持つ珠は金色に輝いているものの、再度雷が出るということもなく。 「お?なんともねぇぞ」 『じゃあお試しになって?』 「油断すんな!エストレア!」 巨大ロボットから繰り出されるパンチが、ベルルムを襲う。 咄嗟に駆け出し、星形状のバックパックを変形させようとする。 しかし、彼女の予想に反してバックパックはいつものように変形を見せない。 「な…っ…!?まだエネルギー残ってるはずでしょ!」 「バカ野郎!どけっ!」 巨大ロボットの強烈なパンチが、茜を突き飛ばして無防備のベルルムに直撃。 ベルルムは大きく吹き飛び、壁に激突し動かなくなった。 『あらまあ、神子の力を使いましたのね。本当なら跡形も無く破裂するはずでしたのに』 「ふぉふぉふぉ、じゃがまあこれで後は戦乙女のみ」 「ベル!…あんた達、いい加減にしなさいよ!」 ベルルムに突き飛ばされ、体勢を立て直している間に状況が動く。 どんな高架化は分からないが、おそらくあの青い電撃は機械類を一切動かなくさせる力だ。 魔力を流せる機能があるとはいえ、基本的に茜の七変化するバックパックは機械。 出雲対策用と言った所だろうか、敵ながら天晴れではあるが…。 「まずったな…通信も使えなくされてるし、タワーの入口も機械での開閉だから援軍も来ない…」 『ほーっほっほっほ!更にこのスペシャル☆フジヤマが開けた穴には、ネズミ一匹通しませんわ!万事休すって所かしら?ハンターはどうでもいいんですけれど、まあ私たちの野望のために死んでもらいましょう。グッバイ!!』 回避!そう思ったが、再びコザックがいつの間にか茜の影を踏んでいる。 「このぉっ…!」 「相手が悪かったのう。アリッサのみならば、戦乙女と神子を止めることはできなかったじゃろうに…じゃが安心せい、ワシも歳だから、老い先は短い。あの世で再び会おうぞ、戦乙女」 『天誅!!』 茜は目を瞑る。 死を覚悟したのではなく、まだ何か対抗策はないかと。 だが、無情にも辺りに轟音が響いた。 ベルルムは咄嗟に神子の能力、彼の場合は身体を一時的に超強化する力を使ったのだろう。 それですらあの有様だ。 魔力も満足に使えない出雲の地で、機械も発動しないこの状況。 完全に、死が――。 ☆ 『W,WHY!?な、なぜ…』 「なんじゃと!?速い、速すぎるッ!!」 どうやら自分はまだ息があるようだ。 それどころか、体が満足に動く。 アリッサが攻撃を外した? と思った矢先、聞き覚えのある声が茜の耳に届いた。 「フフフ…ハーッハッハッハ!!!このォ!!臥龍ヒアデス様をォ!!忘れてもらっては困るぞォォオォ!」 『ど、どうやってこのタワーの中に!?完全に入口は封鎖しており、スペシャル☆フジヤマが空けた穴に近寄れば、気づくはず…』 「ぬるゥゥゥいッ!!!この私が…キサマらテロリストに一切の備えもしていないと思ったかッ!!キサマらテロリストが行う、非道極まりない出雲の機械技術を封ずる対策を想定していないとでも思ったのかッッ!!」 ヒアデスはタワー入口を指さした。 そこは完全に爆発して吹き飛ばされており、更に彼の部下数十名が火薬式の手榴弾を構えている。 「あ、呆れたわ…この出雲でそんな原始的な道具をいつの間に…」 「私はァ!!この出雲の、法王様を守る盾なのだァッ!!ならば…故に…いつでも裏の裏のそのまた裏をかくのがこの臥龍ヒアデスなのだよッッ!!」 「さ、さすがは隊長格よ…!恐れいったわい!」 『ふ、ふざけないで!そんな原始的な武器で、このスペシャル☆フジヤマを破壊できるとでも本当に思っているのかしら!?それに臥龍ヒアデス!貴方の武器は機械式だから、どの道使えはしないじゃない!』 「貴様見破ったのかッ!!!?この流れなら、私が入口をこのアルデバランで破壊しやってきたと思うはずッ!!裏の裏のそのまた裏の裏をかいたと言うのかッ!?」 いつも以上に叫んで、ヘイトを集めているヒアデス。 その間に彼の部下が一人、細長く布に包まれた物を茜に持ってきた。 茜は真田に頼んでいた物が到着したことにほっと安堵し、持ってきた部下に感謝の意を伝えると布を取った。 布から現れたのは、二振りの真紅の直刀。 『D』と名付けられし、茜の魔導具だ。 「アリッサ!!抜けておる場合ではないぞッ!!!戦乙女が!!」 『しまったっ!!』 狼狽する敵二人とは対して、ヒアデスは余裕の笑みを茜へと向ける。 信頼にも似た笑みを向けつつ、小さくつぶやき。 「フ…今回ばかりはこの臥龍ヒアデスがあえて譲ってやろう。あえてだ。次はハンター風情が出しゃばるんじゃあないぞッッ!」 「さて…と」 ヒアデスの言葉を無視しつつ、茜が魔導具を構えると魔導具から不思議な力が放出される。 茜の場合、こちらはあまり使用しないが…魔導具周囲1キロ範囲の特殊な力を無効化するという魔導具の効果。 最初に茜のバックパックの電力が戻った。 それに気づいたコザックは、慌てて茜へと飛びかかる。 「いかん!何かする気じゃ!」 『させませんわ!』 「エストレア!!」 今度こそ、茜の言葉と共にバックパックは反応し盾へと変形した。 七変化の一つ、まずシールド『エストレア』で巨大ロボットのパンチを無効化するだけでなく、衝撃を巨大ロボットに跳ね返す。 巨大ロボットは吹き飛んだが、これくらいではダメージが届いていないくらい装甲は硬いようだ。 「猪口才な…動きを止めていてもらおうかの!」 「アドラメレク!!」 七変化の一つ、バックパック『アドラメレク』の形状へと戻り、紅く光る。 出雲外から広範囲に渡り、魔素をこのバックパックへと集まり始める。 それは茜の魔力へと変換され、この出雲に於いても飛鳥並の魔力を発揮させるという効果だ。 「じゃが踏んだァッ!!これでお主は動け…!?」 「ざーんねん」 既に飛んでいた。 七変化の一つ、ウイング『グレイシア』。 先刻も発動した翼への変化により、巨大ロボットが空けた穴からエリスタワーの外へと、空高く舞い上がる茜。 七変化の一つ、ブーツ『ミスリル』へと変化させ、落下と共にブーツから炎を吹き出し、ジェット噴射のように急加速する。 「頼むよ、『アスカ』!」 七変化の一つ、アーム『アスカ』により、直刀を持つ腕が鉤爪へと変化する。 巨大ロボットの頭上へと、『ミスリル』によるジェット噴射加速もプラスし、二本の直刀による倍撃を繰り出した。 更に鉤爪による一撃でロボットの装甲に傷がつき、コクピットのアリッサの姿が見えたものの、致命的な一撃にはならなかったようで巨大ロボットは体勢を立て直し、茜から距離を離した。 『有り得ません!コザック、もう一度影を!』 「やっておるわ!効きやせん!」 魔導具の効果ではなく、七変化の一つ、ベルト『ウロボロス』の効果。 ウロボロスを模したベルトが青き光を放ち、状態異常などは受け付けない。 他にも効果はあるが、今回は割愛しよう。 「今降参するなら、これで勘弁してあげるけど?」 『シャラップ!調子にのるなよ小娘!!』 「あらら」 煽り耐性低すぎない?と薄く笑って、茜はベルトから更に変化を行う。 『おーほっほっほ!勝った!その効果ならコザックの影縛りは受けないでしょうねえ! でも効果を変えたらコザックはまだ貴方の影を踏んでいますのよ!!』 「ち、近寄るなアリッサ!!この女、まだ『変化を解いて』おらん!!」 「変化が一つだけっていつの私の話をしてるのよ。エクスハティオ!」 七変化の一つ、ヘルメット『エクスハティオ』。 エクスハティオの頭部を模したヘルメットの効果は、火属性変化と特殊技ABBAの強化の二つのみ。 更に、ここで魔導具のもう一つの特殊効果も更に発動する。 魔導具で斬りつける事に、最大3倍まで威力が上がる特殊効果。 2回斬りつけたので既に最大火力。魔導具『D』も燃え上がらん程の真紅の光を放っている。 これ以上威力を上げることもできるが、そうなると反動で自分もただでは済まないのが、異次元から戻ってきた劣化と言えるだろう。 そのためこれ以上上がらないように、現在はリミッターがつけられている。 『さ、さすがはCクラスハンター、柳茜…』 「だからいつの私の話をしてるのよっての!」 右の直刀でロボットを斬りつけ、氷漬けにする。ウロボロスの力の効果の水属性変化。 続けて左の直刀で斬りつけ、爆撃を起こす。エクスハティオの力の効果、火属性変化。 「Bクラスハンター、柳茜。地獄で覚えておきなさい!っどーんっっ!!」 最後にベルト『ウロボロス』をバックパック『アドラメレク』へと変化させ、ヘルメット『アドラメレク』で強化されたABBAを巨大ロボットにブチ込む。 大爆発と共に、跡形も無く巨大ロボットは消滅した。 「やばっ、やりすぎたかも!」 「また爆発オチかよ茜!」 苦しそうに体を起こしながら、ベルルムが背後からお疲れの意を込めて声をかける。 そんな事言ったってしょうがないじゃん、と返そうとした時、彼女らの目の前に銀髪の貴族風の衣装を纏った男が現れた。 その男は、巨大ロボットからすんでの所で救出したアリッサを抱え、空を飛んでいる。 「まだ仲間がいたの?」 「勘違いをしないでもらおうか、戦乙女。今回は君の健闘を称え、挨拶に伺ったまで」 暫く茜とベルルムは顔を見合わせた後、何言ってんのこいつという視線を男へと向けた。 男は気にせず、フ、とキザったらしく笑うと背を向けマントを翻して歩きだす。 「この出雲は必ず我々、朱赤い檻が手に入れる。天空神の名に掛けて、この出雲をあるべき姿に解放するために、な」 「今回は退いてやるわ…次は戦乙女、貴様がいない時に現れたいところじゃの」 「ちょっと、はいそうですかって見逃すとでも…!?」 余裕そうに立ち去る男、それに駆け寄る、爆発の余波によりボロボロのコザックを追おうとした茜とベルルムだったが、男と茜達の間が巨大な光によって阻まれた。 魔力とも、法術とも違うその力。 驚き、二人は一瞬立ち止まってしまった。 「フ…所詮は井の中の蛙。確かに魔導も法術も恐ろしい力ではあるが…世の中には更に上の力があるという事を忘れるな」 言うだけ言って消えた者達に、呆気に取られて見ていた二人。 すぐに正気に戻ったのは、誰かの悲鳴だった。 「なんだァこれはァァァァ!貴様らハンターがこんな惨状にしたのかッッ!?」 「あ、やっば」 「だからやりすぎだって言ったろ茜!」 「はぁ?知ってんのよ、あんた最後、法術使って私の力強化したでしょ!」 「は、はあ~?そんな事するわけないだろ!証拠あるのかよ!?」 「うるさいうるさァァァァいッ!!これだからッッ!!!ハンターは嫌いなのだッッ!!!事情聴取だ来いッッ!」 こうして、激怒したヒアデスから逃げるべく、二人は全力でエリスタワーから去って行った。 ヒアデスに捕まれば、ギルドが不利な事になるのは明白。 そりゃあ少しは非を感じている二人だったが、エリスタワーの管理者はヒアデスではなくポルックスなのだから、そちらと交渉して今回の一件を説明すれば丸く収まる。 なので全力で今はヒアデスから逃げる事を決めた。 「待てェェいッ!逃げるんじゃあないッ!!」 「うるせー!事情はちゃんとポルックスちゃんに説明するっての!!」 「やっぱりギルドとは連携できないッ!!!騎士団の誇り高き精神とは噛み合わないッ!!」 新たな脅威が訪れはしたが、戦乙女をはじめとするハンターギルド。 そして常に敵対発言をしているものの、肝心な所は協力してくれなくもない騎士団。 この二つがあれば、出雲のどんな脅威も退ける事ができるだろう。 ◆柳茜 異次元帰還後、Cクラスハンターへと昇格したのを切っ掛けに、風見次郎から声を掛けられ開設したばかりの出雲支部へと身を置くことになる。 そこで色々な事件を解決し、つい先日Bクラスハンターへと昇格する一方で魔導具の作成も積極的に行い、出雲支部では第一号の魔導具所持者となった。 状況判断にも長け、出雲支部の中ではそのハンタークラスが指し示す通り一番の功労者。 唯一の欠点といえば、市内戦に於いてはその力の被害が大きいため、その際は真田斎がストッパーとしてよく組まされる。 これでも異次元どころか、気象制御装置を止めた時よりも力は弱くなっているというのは本人談。 『戦乙女』という渾名を知らない者は、この大陸ではほぼいないくらいの有名人。 ◆玖珂ベルルム 異次元帰還後、扱いこなせていた法術の力が、弱体化により再び使いこなせなくなった。 そのため鳳仙エルハイアに頼みこみ、騎士団の監視下ではあるがハンターギルドへの所属を認められる。 こと戦闘系の依頼では、柳茜や松原エレナと組むことが多くフォロー役に回る事が多い。 一方で一人での依頼の場合は出雲支部の中で誰よりも効率的に動ける典型的なソリストだが、その真価が発揮されることは今後ほぼ無い。 面倒見もよく、後年は新人育成に精を出した。 ◆臥龍ヒアデス 異次元帰還後、いつもと変わらず法王に忠誠を誓い鉄甲を振るう。 ハンターギルドを常に敵視しいがみあってはいるが、ハンターギルドの必要性を説いた、実は出雲支部開設の影の功労者でもあるがそれが明かされる事は今後無いだろう。
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■ 茜(あかね) 大和一の繁華街を有する都市。 勿論他の各都市にも繁華街は大小ありますが、茜は大和一狭い面積ながらも、 ほぼ都市がまるまる一つ繁華街になっているという場所です。 大和で唯一カジノが解禁されている区域なために、水商売や風俗業、様々なギャンブル関連の店が集まり、 茜を大繁華街へと成長させていきました。 今ではそういった各種の店の関係者の住居以外は、スラム街を除くと殆ど歓楽街となっています。 多くのカジノは大和の人々の娯楽として持てはやされていますが、その反面茜は治安が最も悪く、 一歩裏路地に足を踏み入れたがために身ぐるみを剥がされる等といった事件が後を絶ちません。 しかしながら茜での権力者というと、やはり裏社会の人物が多いため、 住民を保護する警察機構は機能しておらず、茜に定住しようとする人は少ないようです。 一方でスラム街は茜の中心街から暫くいった所にあります。 以前大規模なカジノレジャーランドを作ろうとしたまま親会社が倒産してしまい、 そのまま放置されていた廃墟に犯罪者や不法入国した外国人等が集まる事で自然発生的に作られていった場所です。 初期の頃はレジャーランドの廃墟だけに留まっていたものが、だんだんと人が増えてくるにつれてその周辺の地域一帯を支配し、 今では一般人が立ち入る事はとても出来ない場所となっています。 茜の中心街が夜でも明るいのに比べてスラム一帯は電力供給が無いために、 夜になると暗闇に妖しげな明かりが灯るのみとなり、大の大人でも入って行けば無事に出て来られないといわれています。 茜の顔役である裏社会の大物達も、スラム街をはぐれ者や組織に収まらない者達を放り出す為の絶好の場所としているため、 茜の街からスラム街が消える事は無いと言って良いでしょう。 茜も交通機関は整い船以外の各種方法以外にも、カジノ等によっては専用高級車での出迎えもあり、 外からのお客を引き付ける為に様々な手段を有しています。 【茜を象徴する建物など】 茜繁華街 何軒もの巨大カジノが集まり、色々な夜の産業が集まった茜の中心部を茜繁華街、通称「繁華街」と呼ばれている場所です。 多くの娯楽産業が集まり、健全な紅の娯楽では満足出来ない人々が夜な夜な集まる場所です。 カジノや深夜営業の店はネオンを絶やさず、まさに大和の中の眠らない街といえるでしょう。 裏路地 茜の繁華街が形成されていく過程で、多くの店が争うようにして狭い敷地の中に立てられた為、 自然発生的に生まれた迷路のような路地の集まりです。 茜でスラム街へ抜ける唯一の通り道であり、スラム街と同じ危険地域ではありますが、 スラム街と違い普通に道を歩いていてふと気がつくと迷い込んでしまう可能性があるだけに、 ある意味危険度はスラム街よりも高い場所といえるかもしれません。 裏路地では麻薬等の危険な商品の売買が日常的に行われ、 偶々迷い込んでしまった人がそういった場に出くわしてしまった場合は、命の保障は無いといえます。 スラム街 繁華街と並ぶ茜の代名詞といえるスラム街。 当初はレジャーランド建設予定の廃墟だけだったものが次第に周辺地域へもその勢力を広げ、今ではかなりの地域を占めています。 茜の顔役である裏社会の人々がスラム街の代表者と話し合った結果相互不可侵の条約が成立し、 今のところ繁華街とスラム街は平和を保っていますが、 スラム街に流れてくるような犯罪者は危険人物が多い為に、小さな小競り合いが後を絶ちません。 スラム街には奇妙な連帯感があるために余所者はなかなか受け入れられず、ハンターが最も調査し難い場所でもあります。 ハンターと気が付かれた場合は、住民全員を敵に回す事もしばしばです。 下水道 犯罪者の方が目立つためかあまり魔物と縁のない茜ですが、それはあくまでも普通に生活している場合の話。 下水道内部には、スライムや殺人ネズミなどの魔物が多く棲息し、興味本位に近づく者は命を落とす事になるでしょう。 ハンターなら簡単に倒せるような魔物しか棲息しておらず、街中まで出てくる魔物は滅多にいないため、 数ヶ月に一度下水道の清掃とは名ばかりの討伐が行われるだけで、基本的に放置されているエリアです。 緋杭湖 夕焼けで赤く染まる、茜の南にある巨大な湖です。 危険な魔物もおらず、開けた場所にあるため夏では此処で花火大会が行われます。 別名「火喰い狐」と昔の人は言っているように、色々とこの湖にまつわる噂があるようです。